vol.09

♯いと凜と生きる

書家 木下真理子さん

昨日より今日、今日より明日――。一日一日の積み重ねが心の奥行を更新する。

慎ましさ、儚さ、移りゆく自然の営み。
「静」に宿る日本の美を伝えていきたい。

ITRIMと共に“いと、凜”と生きる女性たちのビューティ&スタイルを掘り下げる連載。今回ご登場いただくのは書家の木下真理子さん。6歳から筆をもち、伝統文化としての書を探究されています。また現代美術のインスタレーションや服飾ブランド「Y’s」とのコレクションラインの発表など、この時代ならではの書のプレゼンテーションにも取り組まれています。

「書については仕事というより学びで、生涯続けるものだと思っています」と木下さん。幼い頃からひとりで地道に行うことが好きで、誰かと勝ち負けや優劣を争うのではなく「自分の手を使い、自分のペースで行えることを仕事にしたい」と思っていたそうです。そんな彼女の書や生き方に向き合う姿勢は、スキンケアにおいても同じ。雅なまでのオーラを放つ白く透明な肌は「自分にできることの積み重ね」が静かに育んできた美しさでした。

自分に大切なものかを見きわめて継続する。
続けていれば「足りないもの」も見えてくる。

明かり障子のように光を取り込む落ち着いた印象の白肌が、黒髪の陰影でより際立つ。とてもキメ細やかな肌が印象的。さぞ特別なケアをと思いきや、洗顔、化粧水、乳液というシンプルかつスタンダードなケアのみ。「あれもこれもと足していくより、自分にとって大切なアイテムに絞り、“欠かさないこと”を心がけています」。皮膚が薄く乾燥しやすいため、日傘をもち歩いて日よけの対策も常にしているとのこと。「アイテムが増えれば気も散漫になり長続きしません。これだけはやろうと自分で決めたことを、しっかり守る。書道もそうですが、続けていれば何が足りないのかも見えてきます」

ITRIM シオンコウ リフレッシング パウダーウォッシュ
0.7g×30包 11,000円(税込)天然由来成分98%

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ITRIM シオンコウ ブレーシング エッセンシャルローション
125mL 22,000円(税込)天然由来成分97%

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ITRIM シオンコウ メルティング クレンジングバーム
70g 13,200円(税込)天然由来成分99%

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ITRIM シオンコウとの邂逅を振り返って「どこをとっても、少しも嫌な感じがしなかった」と語る木下さん。「使っていると、懐かしい香りがふわっと漂ってきて。天然のイグサ成分が配合されていると知り、真新しく清浄な青い畳が思い浮かびました。生活様式にすっかり洋室が定着して、日本の生産農家の減少が案じられているイグサですが、古の日本の暮らしが息づいているような有難さを感じました」

肌理(キメ)にとってベストな洗浄力を天然成分が担ってくれる信頼感。

書は、人の目を引こうという意識が強すぎると、おかしなものになってしまいます。人も同じで、自然の流れに抗ったことをすれば、やはり無理やりな感じが出てしまいます。はれやかな笑顔に勝るものはありませんし、自然体で笑顔に自信がもてるようなアイテムやケアに出会えることは、意味のあることなのかもしれません」

ITRIM シオンコウ リフレッシング パウダーウォッシュ 0.7g×30包 11,000円(税込)天然由来成分98%

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ITRIM シオンコウ シリーズの中でも特に木下さんのお気に入りはパウダーウォッシュ。「肌に負担なく洗うことは思っている以上に難しいんですが、手のひらでパウダーが水と混じり合って、泡立ちの加減を調整できるところがいいですね。肌に触れる感触も自覚できますし。自分では対応しきれない繊細な部分に、天然の成分が働きかけてくれる信頼感もあります。書も人の手によるものですが、“にじみ”や“かすれ”など、その表情は湿度や温度に左右されますので、自分だけの力によるものではありません。ですからその時々で違う空気の状態や自然のニュアンスを意識しています。それは肌と向き合う上でもきっと大切なことだと思います

はじめて“美ひざ”に出会えた、ニー トリートメントセラム。

紙に油分がついてしまうので、書く時はハンドクリームをつけていないそうです。とはいえ墨を扱うことから手を洗う回数は人並み以上という現実。「寝ている時にいたわりたくて、夜はハンドクリームでしっかりケアしています」。血流を良くするリンパマッサージも寝る前の習慣。「神経は繋がっているので、部分ごとではなく体全体を意識しながら、伝っていくように」行うとのこと。

ITRIM クレセント ニー トリートメントセラム 25g 11,000円(税込)天然由来成分99%

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正座する機会も多く、また大きな作品を書く時もひざで体を支えます。「毎日書と向き合っている私のひざは、うっすらと青あざができていて皮膚も硬くなっていますが、それはしかたがないと思ってきました」と笑う。「ITRIM ニートリートメントセラムがあると知った時は、うれしかったですね。しっとりなめらかなひざに、はじめて出会えました

自分自身と向き合う時間をもつ。澄んだ感受性を暮らしの中で大切に。

「どんなに科学技術が進歩しても、人間の感性や自然の奥深さには到底追いつけないと思っていますし、むしろ見直されていくと考えています。日々の暮らしの中で、私自身も“ほのか”な違いを感じ取れるように、澄んだ感受性をもち続けていたいですね」。落ち込んだりストレスを感じた時には、ゆっくりとお風呂に入るそう。「キャンドルをいくつも置いて、静かな音楽とアロマオイルの香りに包まれていると、体の負担も解消されて気分も和らいできます。ダメかなと思ったことでも、もう一度やってみようと前向きになれます」

ITRIM クレセント チーク トリートメントセラム
※2023年1月2日発売

 

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「年を重ねることへの拒否感は少ない方だと思います。書は人生とともに学びが続きますし、昨日より今日、今日より明日、その連続の中で常に心の奥行は更新し続けますから」。そんな彼女に、凜とした肌を目指す4週間集中美容液クレセント チーク トリートメントセラムを試してもらいました。「肉体は衰えますが、それは自然なことですし、拒もうとするのではなく愛おしむ気持ちで、肌に語りかけるようにケアすることが大切ですよね。肌にアプローチするだけのものとは違い、まさに“心の化粧品”という感じがしました」

柔らかな佇まいの中にシンをもつ古の日本人の姿勢に「凜」を感じる。

「大陸より漢字を受け入れながら大和言葉を捨てず、漢字を崩しに崩して日本独自の仮名を編み出した日本人。古筆を見れば明らかですが、表向きは柔らかでも、佇まいにシンを感じます。私が考える“凜とした人”を例えるならそういう存在です。ことさら自分を押し出すことはせず、まず他者を受け入れて、自分が大切にするものを内に守りながら、どう調和を図り、昇華するのかを考える人ですね」

「いつも本物に触れようという意欲をもち続けること」を信条とする木下さん。「言い換えるなら、そのための手間と時間、お金は惜しみません。成果だけを性急に求めるのではなく、そこに至る過程、それも自分を高めてくれると思っています」とも。そんな彼女から見てITRIMブランドは、平安時代の香文化を彷彿させるようです。「当時の香(薫物)は香木などを練り込み、熟成させていたそうですが、それは配合の加減によって個々の香りを得ていたほど繊細なもので。体への効能はもちろん、イマジネーションも広がっていく。雅な世界観と細やかな機能を備えた、身心ともに癒されるものだと思います」

書道用品/玉蘭堂

PROFILE

書家
木下真理子

六歳より祖父の影響で書に触れ、書の世界で第一線の研究機関である大東文化大学に進学。戦後の日本書壇を牽引した書家青山杉雨を継承する髙木聖雨に師事。中国・日本で古来受け継がれてきた伝統文化としての書を探究。漢字五書体(楷書・行書・草書・隷書・篆書)を書き分ける。日本初の三大国立博物館巡回展「誕生!中国文明」、奈良国立博物館「正倉院展」、映画「利休にたずねよ」、NHK「にっぽんプレミアム」等に関わる題字も手掛けている。メジャーリーグ開幕戦では5万人の観衆の前で公開揮毫を行った。日本の伝統文化における様々なプロジェクトをコーディネイトし、エッセイも執筆。